塗装の種類/合成樹脂塗料

塗装の基礎知識

塗料の役割

さて、塗装をするにあたり、塗料はどのような成分から成り立ち、どのように塗装された対象物を守っているのでしょうか?まとめてみました。

保護

塗料は、塗装されることによって物の表面に連続した丈夫な皮膜をつくり周囲の環境から保護し、長持ちさせます。

美観

塗料は物に色・つや・なめらかさ・模様・立体感などの仕上り効果を与え、物を美しく粧い快適な生活をデザインします。

特別な機能

塗料には保護と美観の他、以下のような特別な働きを持たせることもできます。

  • 電気・磁気的機能・・・・導電、電磁波シールド、電波吸収、磁性、プリント回路、帯電防止、電気絶縁
  • 熱学的機能・・・・耐熱、太陽熱吸収、示温、熱線反射
  • 光学的機能・・・・蛍光、蓄光、遠赤外線反射、紫外線遮断、光電導
  • 機械的機能・・・・潤滑
  • 物理的機能・・・・着氷固着防止、貼紙防止、結露防止
  • 生物的機能・・・・防かび、防虫、汚染、水産養殖、動物忌避

合成樹脂塗料とは

合成樹脂塗料は、「エポキシ樹脂」、「アルキド樹脂」、「塩化ビニール樹脂」、「アクリル樹脂」、「酢酸ビニール樹脂」、「フェノール樹脂」など、様々なものが用いられます。合成樹脂に溶剤または乾性油を加え加熱し、さらに溶剤を加えた塗料のことをいいます。合成樹脂塗料のタイプは、溶剤を加えない「無溶剤型」、溶剤を加えた「溶剤型」、乳液状の「エマルション型」などがあります。

合成樹脂塗料の成分

塗料の揮発する成分は、溶剤系塗料の場合はシンナーと呼ばれる有機溶剤がそれに当たり、水性反応型塗料の場合は水になり樹脂を液状に溶かして塗れるようにする働きをします。塗料は対象物に対し塗装工程を経て硬化し塗膜となりますが、まず、この塗料の成分は対象物を保護する成分と、乾燥、硬化するにあたって揮発する成分に分ける事が出来ます。

そして、塗膜成分は下記の3つの成分から成り立ちます。

  • 「顔料」・・・塗料に色を着けたり、塗膜に厚みを持たせたり、特別の性質を付与するために使用されます。
  • 「合成樹脂」・・・塗膜を形づくる保護機能・主体となる原料です。
  • 「添加剤」・・・塗料・塗膜を安定にするためや、使いやすくするために使われるものです。

塗装の耐久年数

塗膜の耐久性は、その塗料の保護機能をつかさどる「合成樹脂」により決定され、その種類により下記のように分類及びランク付けされます。

(1)樹脂による分類

アルキド樹脂塗料・・・耐久年数:3~5年
昔からいわゆるペンキと呼ばれる塗料がこれに該当し、ホームセンターで鉄部用や木部用の塗料として販売されるDIY向け塗料といえます。価格が安いのですが、耐久年数が短いので、現在では屋根はもとより外壁で使用されることは非常に少なくなります。
アクリル樹脂塗料・・・耐久年数:5~6年
新築時の住宅ではほとんどがこの塗料で塗装されていますが、耐久年数が短いため、塗り替え時の使用頻度は圧倒的に少なくなります。塗り替えの場合は、店舗など美観を重視し、頻繁に塗り替えることが予想されている場合には、コストパフォーマンスの高い塗料といえます。
ウレタン樹脂塗料・・・耐久年数:8~10年
耐久年数が10年程度ということもあり、つい10年ほど前では、屋根及び外壁の塗り替え用の高耐久塗料としてもっとも普及していた塗料といえます。ウレタン樹脂塗料の中でも、溶剤型で二液反応型のウレタン樹脂塗料は、あとでご紹介するシリコン樹脂塗料の中でも水性シリコン樹脂塗料や溶剤型の一液型シリコン樹脂塗料よりも耐久性が高く、外装用の使用頻度も高くなります。
シリコン樹脂塗料・・・耐久年数:10~12年
現在、耐久性と材料価格の観点から非常にバランスが良いといえ、住宅の屋根、外壁の塗り替え用としてもっとも普及している塗料です。
フッ素樹脂塗料・・・耐久年数:15~20年
建築用の塗料ではもっとも耐久性の高い塗料といえますが、それに伴い価格的にも高い塗料で、頻繁に塗り替えることができない耐久性の要求されるビルや橋梁の塗装に使用されることが多いです。近年は住宅でも使用されることも出てきましたが、木造住宅では10年前後に下地の劣化が起こることが多いので、注意しましょう。

(2)希釈材による分類

樹脂塗料は希釈材により、水性樹脂塗料、溶剤系樹脂塗料に分けることができます。そして溶剤系樹脂塗料は一液型樹脂塗料、二液方樹脂塗料に分類することができます。

例えばシリコン樹脂塗料は、下記のように分類されます。

  • 水性シリコン樹脂塗料
  • 一液型溶剤シリコン樹脂塗料
  • 二液型溶剤シリコン樹脂塗料

メリットデメリット(水溶性)

水性系のメリット
水性が厚膜でやわらかい塗膜を形成するのに対して、溶剤系は薄膜で硬い塗膜を形成することから、水性は下地に対し柔軟である。
水性系のデメリット
汚れが着きやすい。

メリットデメリット(溶剤系)

溶剤系のメリット
水性と比べると溶剤系は汚れも付き難く、総合的には耐久性も強い。
溶剤系のデメリット
下地の動きに対し追従できず、ひび割れが入りやすい。また、作業における臭気の問題がある。

その他の分類

  • 光触媒超親水性塗料
  • 光触媒・・・光触媒(酸化チタン)に光(紫外線)があたることで「分解力」と「親水性」を発生させます。これにより、「セルフクリーニング効果(防汚効果)」と「空気浄化効果」などが発揮されます。
  • 分解力 ・・・光触媒である酸化チタンに光(紫外線)があたると酸化チタン表面に分解力(酸化還元)をもつ活性酸素が発生し、さまざまな有機物を分解します。カビや細菌の繁殖や、汚れのこびりつきを抑制するとともに、大気汚染の原因となる窒素酸化物や硫黄酸化物を分解し、空気を綺麗にします。
  • 親水性・・・水をはじく「撥水性」に対し、水のなじみがよくなることを「親水性」と言います。水が汚れの下に入り込み、浮き上がらせることによって、汚れが流れ落ちます。