合成樹脂塗料の分類

塗装の基礎知識

樹脂による分類

合成樹脂塗料の樹脂による分類をまとめました。

酸硬化形アミノアルキド樹脂塗料

  • 木製品の塗装に使用されている。
  • 酸性硬化剤を使用するので金属には適さない。
  • 研磨性は良いが貯蔵安定性、耐候性は悪い。

熱硬化形アミノアルキド樹脂塗料

  • アミノ樹脂としてはメラミン樹脂が多く使用される。
  • その性質は硬く、耐溶剤性、光沢、耐候性に優れている。
  • たわみ性、付着性に難あり。
  • 熱硬化形は主に木材用に使用される。

エポキシ樹脂塗料

  • 付着力が強い。特に金属、ガラス、木材への付着性が優れている。
  • 耐水性、耐薬品性に優れている。
  • 「やせ」が少ない。
  • 硬度が高く、屈曲性、耐摩耗性が大きい。

エポキシ樹脂塗料の種類

熱硬化形エポキシ樹脂塗料
  • タンク、パイプ、ドラム缶、チューブなどに使用。
アミン硬化エポキシ樹脂塗料
  • 厚塗りが出来るが塗膜はややもろい。
  • 船のバストラタンク、石油タンクなどに使用。
エポキシエステル樹脂塗料
  • 付着性、耐薬品性、耐摩耗性に優れている。
  • タンク、機械プラント、プラスチック用など多方面で使用。
タールエポキシ樹脂塗料
  • タールとエポキシ樹脂を組み合わせたもの。
  • エポキシ樹脂塗料より耐水性、耐酸性が向上する。
  • 可とう性、付着性が優れ、硬度の高い塗膜が得られる。
  • 鋼管内外面、港湾など腐食の烈しい環境の構築物などに使用。

アクリル樹脂塗料

新築時の住宅ではほとんどがこの塗料で塗装されています。塗り替えの場合は、店舗など美観を重視し、頻繁に塗り替えることが予想されている場合には、コストパフォーマンスの高い塗料といえます。

種類

  • アクリル化アルキド : アクリル変性アルキド樹脂塗料のことを言う。アルキド樹脂塗料より耐候性、光沢保持性、保色性、耐湿性などが 優れている。
  • アクリルラッカー : 金属、木工、コンクリート、プラスチックなどに使用できる。航空機、車両、自動車、家電製品などに用いられている。
  • 水溶性アクリル : 水溶性熱硬化形アクリル樹脂塗料のことを言う。自動車、電気器具類などの浸漬塗装(電着塗装)用に使用されている。
  • 焼付けアクリル : 溶剤熱硬化性アクリル樹脂塗料のことをいう。家電器具類、自動車、家具、事務機器、非鉄金属など用途は広い。
  • エマルジョン形アクリル樹脂塗料 : 自然乾燥型塗料で建築塗装では多用されている。

油変性ポリウレタン樹脂塗料

ウレタン樹脂塗料の中でも、溶剤型で二液反応型のウレタン樹脂塗料は、シリコン樹脂塗料の中でも水性シリコン樹脂塗料や溶剤型の一液型シリコン樹脂塗料よりも耐久性が高く、外装用の使用頻度も高くなります。耐久年数が10年程度ということもあり、つい10年ほど前では、屋根及び外壁の塗り替え用の高耐久塗料としてもっとも普及していた塗料といえます。

  • ウレタン化アルキド、ウレタン油などとも呼ばれる。
  • 一液性で、成分中の乾性油の酸化重合により乾燥する。乾燥時間は短い。
  • 耐候性、耐摩耗性に優れている。耐薬品性は他のポリウレタン樹脂塗料より劣る。
  • 床用などその用途は広い。

湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料

空気中の湿気と反応して、架橋反応硬化するタイプの塗料。

特徴

  • 耐摩耗性が大きいので学校、体育館の床、コンクリート床面などに使用される。
  • 高湿度ほど乾燥は速い。
  • 塗膜が硬化する際、炭酸ガスを発生するので、厚塗りするとあわやピンホールを生じる。

二液形ポリウレタン樹脂塗料

主剤と助剤からなる二液タイプの塗料。

特徴

  • 木工用、金属用、ゴム用、皮革用、コンクリート床面用などがあり、多方面で使用されている。
  • 主剤にはポリエステル、ポリエーテル、ひまし油が使用される。
  • 助剤はイソシアネートが使用される。

シリコン樹脂塗料

住宅の屋根、外壁の塗り替え用としてもっとも普及している塗料です。現在、耐久性と材料価格の観点から非常にバランスが良いといえます。

特徴

その価格と塗膜性能の面で優れているので建築塗装、特に外壁塗装では多用されている。

  • 耐水性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)、耐油性が大きい。
  • 耐汚性が大きい。元々汚れが付着しにくい樹脂である。
  • 耐候性が大きい。(塗膜性能は限りなくフッ素樹脂塗料に近い)
  • 下地に対する付着力が強い。
  • 光沢保持性、保色性が大きい。
  • フッ素樹脂塗料は亜鉛鍍金面に不適であるが、アクリルシリコン樹脂塗料は直接塗装が可能。

フッ素樹脂塗料

建築用の塗料ではもっとも耐久性の高い塗料といえます。最近では住宅でも使用されることも出てきましたが、価格的にも高い塗料で、頻繁に塗り替えることができない耐久性の要求されるビルや橋梁の塗装に使用されることが多いです。耐久年数:15~20年。フッ素樹脂にはポリフッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、六フッ化プロピレンなどがあります。

特徴

  • 塗膜は不燃性で、耐溶剤性が高い。
  • 合成樹脂の中で最も高価である。

用途

  • 電気絶縁塗料、耐熱性塗料、耐薬品性塗料、耐食塗装用などに使用されている。
  • 最近の建築塗装においても、高耐候、低汚染塗料として使用されている。

耐久性とメンテナンス

木造で外壁がモルタルやサイディングの場合、フッ素樹脂塗料のように耐久性が15年以上とうたわれている塗料で塗り替えを行ったとしても、必ずしも15年間メンテナンスいらずという訳にはいかず、10年程度でひび割れ(クラック)やシーリングに亀裂ができる場合が多いので、10年に一度、下地処理からのメンテナンスを必要とする場合が多くなります。この場合、価格と品質とのバランスからフッ素樹脂塗料よりもシリコン樹脂塗料の方がお勧めの塗料ということになります。