自然塗料の分類

塗装の基礎知識

自然塗料の魅力と定義

素人でも扱いやすいという点も魅力である自然塗料に法的な決まりはありませんが、あえて定義をするならば「原料、製造、塗装、使用、廃棄という、塗料のサイクルのあらゆる段階で、すべての生態系に負荷を与えず、エネルギー消費量が小さい」、人体にも環境にも、悪影響の少ない塗料のことです。 自然塗料は確かに、環境に負荷を与えないといったライフサイクルアセスメントの視点から見た場合、塗料の中では最も優等生と呼ばれるに相応しい塗料でしょう。

自然塗料について

天然材料を主成分にしている自然塗料は、石油系の合成樹脂塗料に比べて、木材の保護という点においては弱いものの、傷や汚れの経年変化が、木材という天然材料ならではの味わいになっていきます。せっかくの木材ですから、色や木目はもとより、手や足で触ったときの感触も含め、永く愛着をもって楽しみたいものです。自然塗料はドイツのメーカーを筆頭に多くのメーカーが多くの製品を開発するようになりましたが、自然界にある成分を基調にしていることからも、その成分には限りがあり極端に異なると言うわけではありません。樹脂や顔料、添加剤、溶剤の成分の組み合わせの違いよって多くの製品が市場に出ていると言った方が適切と言えましょう。

自然塗料の分類について

樹脂(油脂)の成分の種類の違いから塗膜となって木材を保護する方法が異なり、以下のように分類することができます。

オイル系(浸透型)
亜麻仁油やひまわり油等、植物の種子などから採取される「天然油脂」を主成分とし、塗装された場合、木材に深く浸透し木材の質感を残し保護します。
ワニス系(造膜型)
セラックやダンマル等、樹木や昆虫等の「天然樹脂」を主成分とし、木材の調湿機能を残しながらも塗膜を造り素材を保護するため耐水性に強いのが特徴です。
ワックス系(塗膜保護)
蜜ロウやカルバナロウ等のロウ類を主成分とします。単独のみで使用されることもありますが、頻繁なメンテナンスが必要となるため、多くはオイルやワニス塗装後の塗膜の補助膜として使用されます。
セラックワニス系
昆虫のラック貝殻虫の分泌物を精製してできるセラックを、アルコールに溶かしてワニスとしたもの。
オイルワックス系
オイルとワックスを組合せたもの。

注意点

  • 天然材料だから誰にでも安全ということではなく、成分によっては、体質にあわないものもあります。
  • 自然塗料といっても浸透型のオイル系や造膜型のワニス系などの仕上がり感やメンテナンスサイクルがことなったり、アレルギー反応を起こすことがあります。
  • 一概に石油化学系塗料よりも自然塗料が優れている、もしくはどのメーカーの自然塗料が優れている、というような評価をすることはできず、一長一短があります。

自然塗料の選び方

アレルギー体質の場合は
単に「自然塗料」や「自然成分100%」と言う事だけで判断するのではなく、実際に塗料の臭いを嗅いでみたり、施工するサンプル部材に試験塗りをしてもらい一定期間アレルギー反応がでない事を確認する等した上で選択することが最も大切と言えるでしょう。自然塗料を選択する理由は、化学物質過敏症やシックハウス対応など、ご自身の体質に害にならない事が選択の条件と言えるでしょう。しかし、自然塗料とはいってもアレルギー体質においてはすべて安全であると言う事は出来ません。天然成分であっても匂いの強い柑橘油などに反応しアレルギーを起こす事もあったり、化学溶剤でも無臭ということで反応しないこともあります。
仕上がり感の確認
自然塗料でも造膜型、浸透型があり、仕上がった際の質感が異なります。また着色する際は部材ごとに色付き具合も変わってくるため、施工するサンプル部材を確認することにより、後になって後悔しない仕上がり感が約束されます。
メンテナンス
自然塗料は石油化学系塗料と比較し耐候性に欠けるため、繰り返しのメンテナンスが最も重要といえますので、ご自身でメンテナンスをと考えていらっしゃるかたは、塗りやすいものが選択の条件となってくるでしょう。

まとめ

大切なのはどの塗料がどのような塗装において優れているかや、選択する際にその塗料のメリット、デメリットまたは特徴を押さえておくことでしょう。自然塗料は、自分の暮らしを、自分の体を見つめ直すきっかけにもなるのです。