内装塗装の種類

塗装の基礎知識

クロスと調湿性

クロスでも調湿性を持たせたものがラインナップされています。女性や小さなお子様がいる家庭にとっては、肌の乾燥や結露が気になる方も多いと思いますので、調湿作用のあるこういったクロスは気になるところだと思います。しかし、クロスは貼る面積は大きいものの厚みがそれほどなく、大きな期待をしていると裏切られる結果になるかもしれません。もし、お部屋を調湿したいと考えているのであれば、エアコンや加湿器、除湿器をメインに使用し、クロスはサブ的な意味で考えておく方がいいでしょう。なお、クロスよりも、珪藻土などの塗り壁や調湿機能のあるタイルの方が調湿作用は大きくなります。また、冬場の加湿は暖房のランニングコストを上げることに繋がります。そのため、肌の乾燥が気になる方は、洗顔や入浴後に化粧水と保湿クリームなどで肌の乾燥を防ぐ方が効果が高くなります。

クロスの価格

クロスも価格に応じて見た目の豪華さや強さ、手入れのしやすさなどが変わってきます。クロスでもいくつかのグレードがあり、流通品と呼ばれる賃貸住宅などでよく使われる汎用品から一般戸建住宅で使われる少しグレードの高いものなどがあります。ただ、クロスの場合は、選ぶ材料の品質が変わっても、施工手間はそれほど変わりません。そのため、12畳程度の部屋であれば、流通品をグレードの高いクロスに変えたとしても大よそ1万円程度の価格差しか出ないため、気にいった機能とデザインを重視して選んだ方が満足度は高いようです。

クロスの種類

それではクロスの種類についてお話しましょう。

布クロス(織物壁紙)

布クロスは様々なものがあります。たとえば、レーヨンのような木などから取れるセルロースを再生した繊維や、綿や麻、絹などを編み込んだ織物や編物、不織布などの布に紙を裏打ちし製品化したものです。もともとクロスというと織物や布を意味する言葉です。クロスというと、本来はこの布壁紙を指す言葉だったのかもしれません。

特徴

壁紙全体に占めるシェアは、1%にも満たないのですが、自然素材にこだわりたい部屋や、高級感を演出したい部屋にこの布クロスはぴったりかもしれません。

メリット

  • 擦れなどに強く破れにくい
  • 自然の風合いがあり素材感を感じられる
  • 自然な凹凸があり、高級感を演出することが可能
  • 自然材料を使うので、可塑剤などの化学物質に不安がある方にも安心
  • 自然の繊維なのでクロス自体も吸放湿を行う

デメリット

  • 汚れが付着すると落としづらい
  • 一般的に価格が高い
  • 提案できる工務店やハウスメーカーが少ない
  • 伸縮性が高いので、施工に手間がかかる
  • 防火認定を受けた商品が少なく、キッチンなどでは選択肢が限られる

無機質壁紙(じゅらく調、漆喰調)

最近増えてきているのが、この無機質壁紙です。この壁紙ですが、簡単にいうと、じゅらくや漆喰などの仕上げを不燃性の紙の上に施し、手軽に塗り壁の雰囲気を味わえるというものです。本物と並べて比較すると見劣りするのですが、実際に無機質材料を下地の上に吹き付けているので、触った場合のざらざら感などはしっかりと表現されています。

メリット

  • 施工費がそれほどかからないため、全体の金額も抑えられる
  • 塗り壁に比べると、施工しやすく、工期も短縮できる
  • ひび割れなどが生じにくい
  • 工場で製造されるため、職人の技量に左右されにくい

デメリット

  • 厚みがないため、消臭や調湿効果は薄い
  • 壁紙に継ぎ目が生じるため、安っぽさを感じる場合がある

紙壁紙

紙壁紙は、紙は襖や障子など日本の家にとって、とても古くから住宅建材として使われてきました。しかし、壁に紙を貼ることは比較的近代になってからの話です。戦前まで、一般の住宅は土壁などの塗り壁が一般的だったからです。石膏ボードなどの下地に糊で壁紙を貼られるようになったのは、1960年代からなのです。紙は湿気や汚れなどが付着しやすく、メンテナンスが難しいなどのことから、表面を樹脂(プラスティックのようなもの)でコーティングされていますが、厚みがそれほどないため、擦れには弱いなどといったデメリットがあります。

特徴

紙壁紙ですが、楮や再生パルプなどを原料にした紙に表面に印刷や型押して柄を付け、裏打ち紙を貼り合わせて製造されます。この紙壁紙ですが、種類も柄も比較的豊富に存在します。また、柄や色彩が鮮やかなものが好みの方は、海外の紙壁紙も選択肢に入れると良いでしょう。主には、ヨーロッパやアメリカから輸入されるものが多く、少し他の家とは違った印象の部屋を作ることができます。

メリット

  • 塩ビを使わないため、可塑剤などにアレルギーを持つ方でも採用できる
  • 部屋を柔らかな印象にすることができる

デメリット

  • ビニルクロスと比べると高価
  • 膨張収縮することによって、目地が目立つ場合がある
  • 施工に手間がかかる

聚楽(じゅらく)壁

聚楽壁とは、安土桃山時代以降に聚楽第付近の土を使って仕上げた土壁を「じゅらく壁」と呼んでいましたが、現在は、土の産地に関係なく、同じような仕上げ方法をまとめてじゅらく壁(京壁)と呼んでいます。このじゅらく壁ですが、鏝での仕上げ方法やわらすさなどを混ぜることによって様々な表現が可能です。混ぜる土の色を変えることで様々な色見を出すことができます。

特徴

最近では、クロスの上にじゅらくを塗って仕上げるDIYのリフォームや逆にじゅらく壁をクロスに変えるリフォームなども盛んに行われています。じゅらく壁はヒビが入りやすいといったイメージを持つ方も多いと思いますが、これは、下地が動くことによるひび割れの場合が多いようです。そのため、中塗りまでしっかりと職人さんにやってもらえば仕上げやリフォームでDIYに挑戦しても良いのではないでしょうか。素人でも塗りやすい配合の商品は簡単に見つけることができますので、ご興味があるのであればチェックしてみてください。

メリット

  • 塗り替え時期がクロスなどと比べると少なくて済む
  • 水蒸気を吸放湿する性質があり、湿度を安定させることができる
  • 化学製品などを含まないものは、シックハウスなどの影響も小さくできる
  • 材料が重いため音が漏れにくい(入ってきにくい)
  • 不燃性の材料のため防火性を上げることができる

デメリット

  • 施工に手間がかかり、コストも上がる
  • 施工に手間がかかり、乾燥の工程も必要なため工期がかかる
  • 地震の際には、ヒビが入ったり脱落したりしやすい(脱落することで揺れを受け流し、耐震性が上がるといったことも言われる)
  • 汚れが付きやすく、掃除は困難
  • 擦れに弱く、補修が困難